ライフデザインカンパニー

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【新メンバーインタビュー】
コミュニケーションデザイナー 荒木脩人

『日本の価値を届けたい。デジタルからリアルまで、心をつなぐデザインがしたい。』

荒木は、 大学在学中より独学でデザインを始め、Web制作会社勤務を経て、2012年よりBusiness Architectsに参画。アートディレクター、クリエイティブディレクターを務めた後、2017年からイキゴトに、コミュニケーションデザイナーとして参画。

これまで、ナショナルクライアントの広告・イベント・サービスのプランニングやアートディレクション、Webやスマートフォンアプリの情報設計・UIデザインなど幅広く手がけてきた荒木が、デザイナーとして歩む中でみえてきたことはなんだったのか? なぜイキゴトを選んだのか?について語ってもらった。

独学ではじめたデザインとの出会い

ーデザイナーになった経緯を教えてください。

僕は長崎県出身で、大学の時に横浜に出てきました。デザインをはじめたのは大学在学中で、完全に独学でした。 最初のきっかけは大学2、3年のときに、友人から「Tシャツつくろう」って誘われたことですね。どうやらPhotoshopとかIllustratorを使うらしい、ということで、友人のPC借りて、素人ながら試行錯誤してなんとか形にして、大学の学園祭で売ったらそこそこ売れたんです。ほとんど身内だったけど(笑)。

それからしばらくは、自分がかっこいいと思うものを形にしたいという一心で、学校行かずにフォトショいじったり、シルクスクリーン印刷の技法を調べてDIYしたりとか、そんな感じでデザインにハマっていきました。

就職活動の時期にはもう制作会社に絞って、とりあえず片っ端から受けてみましたが、どこも門前払いでした。今から思うと正直ポートフォリオと呼べるようなものなんて全く無くて、素人がただ好き勝手つくったグラフィックばかりだったので、当然なんですけど。
で、「これはちょっとやり方を変えないとまずいな、今の時代やっぱWebだろう!」と方針を変えて、超付け焼き刃でFlash勉強して、フルFlashのポートフォリオサイトをつくったんです。ポートフォリオの中身ほとんどないのに(笑)。 でもその熱意を買ってもらって、一発で採用してもらったのが最初に入社したWeb制作会社で、10名くらいのところにデザイナーとして入社しました。最初は正直デザイナーが何をやるのかも全く理解できてませんでした。ヘッダー?フッター?何それ?みたいな(笑)。

でも、私にとって師匠的な存在となるアートディレクターの方がいて、4年間であらゆる基本を叩き込んでもらいながら、大企業のコーポレートサイトリニューアルやキャンペーンサイトなど、とにかく数をこなすことで必要なデザインスキルを吸収していきました。
一方で、美大などで専門的に学んでいないというコンプレックスはどこかでずっとありました。

そんな時、先ほどの師匠が、知り合いの会社を紹介してくれたんです。「WEB業界では老舗だから、学べることは多いと思う」と言ってくれて、それがきっかけで、2012年に前職のBA(Business Architects)に入社しました。

UI/UXの専門家として歩むことで見えてきたこと

ー2社目でデザイナーとして学んだことについて教えてください。
BAには丸5年在籍して、ユーザー体験を中心に、ビジネスをデザインするという視点から、Webやアプリの情報設計・UIデザイン、撮影のアートディレクションやイベントの企画などを担当しました。大企業や市場規模が大きい業界の仕事が多かったです。
まずBAで衝撃を受けたのは、”徹底的にロジカル”ということ。それまではあまり深く考えず、なんでもいいから格好いい広告作りたい!とか、デザインの賞取りたい!とか思ってたんです(笑)。まずは自分の浅はかな考えが恥ずかしくなりましたね。
また、BAでは8-9割がクライアントと直接お付き合いするお仕事だったので、必然的にクライアントに直接提案する必要があり、説得力・話す力が必要だと痛感しました。

「デザインには全て理由がある」といったことだったり、「コミュニケーションもデザイナーの仕事である」という、言葉にするとまぁよく耳にするフレーズだし、シンプルなんだけど、これをいざ自分がやるとなると結構難しい。

まずは、「誰に対して、何を、何のために、どうやるのか」といったことを考えてデザインに落とし込むことを意識するようになりました。そうやって自分の中でロジックを考えることで、初めて人にも説明できるようになる。話す練習みたいなこともやってました。恥ずかしいから影でこっそり(笑)。

また、その頃にいわゆる”センス”みたいなものも、ロジカルに鍛えられるものだと気付きました。アイディアは結局のところ、知識と経験の掛け合わせでできていることが多い。逆にいうと、意外と運の要素が少ないんです。だから、どれだけ好奇心を持って知らない知識に触れ、経験したことのない体験を積み重ねていけるか。優秀な仲間に恵まれ、常日頃からそういったインプットを意識できたことも大きかったです。

また、UI/UXデザインの専門家として、毎年アメリカで開催されている大きなイベントであるAdobe MAXの日本版、「Adobe MAX JAPAN 2016」でも登壇する機会を頂くなど、たくさんの貴重な体験をさせてもらいました。

ーUI/UXの専門家として経験を積む中で、次の挑戦を考えはじめた経緯を教えてください。

前職まではそれまでの実績から、どうしてもデジタル領域を前提とした依頼が多かったんです。これまではそれに対してひたすら突っ走ってきた感覚があったので、この辺で一度立ち止まって、まずは「何に対して、どのようなデザインが本当に必要とされているか」というところから改めて考え直してみたかったのが理由の一つです。

実は、自分ではあまりUI/UXの専門家だと思ったことはないんです。業務としてUI/UXデザインに携わることが多かったというだけで。その中で、UI/UXというものが担当する範囲が、事実上Webやアプリに限定されてしまうことに違和感を感じていました。本質的な課題は、案外デジタルと関係のないところにもあるんじゃないか?と。

そのためには、今インターフェースといえばディスプレイの画面を指すことが多いですけど、僕はそこだけではなくて、”人と人” や “人と物” の間に存在する広い意味でのインターフェースのデザインに挑戦する必要があると思ったんです。そうすることで、これまで僕にはできなかった、人の心に届くようなデザインができるのではないかと。

後は、これあるあるだと思うんですけど、デジタルのデザインって賞味期限が早くって、作ったものがすぐに更新されて消えてしまう。それがもちろん長所でもあるのですが、正直なところ、ちょっと寂しい部分もあって。パッケージだったりCIだったり、何か形としてもう少し長く存在するものを作りたい、という純粋な思いもあります。

なので、まぁデジタルとかモノとか関係なく、みんなの幸せにつながるものをデザインしたい、と思うようになったのが一番の動機かもしれません。

デザインの力で、日本伝統の価値を広げたい

ーほかに、やりたいことが見えてくるきっかけはありましたか?
ここ数年、国内旅行に行く回数が増えたんですね。旅行好きの妻の影響も大きいのですが、それに伴って日本各地の伝統文化みたいなものが気になるようになりました。

特に羨ましいなーと感じたのが、歴史のある醤油とかお酒の蔵とか、老舗の料理人とか、若い陶芸家とか、デニムの職人とか、“心”が入ったモノやそれに関わる人たちだったんですね。地元の方にある有田焼とか波佐見焼とかも、この歳になって改めて見たら、凄いかっこいい。

昔はわからなかったけれど、自分がデザイナーとしてものをつくる立場になったせいか、そういうモノや作り手をみると、すごいなって純粋に尊敬するんです。あと嫉妬します。すごい嫉妬します(笑)。みんな、すごいイキイキしていてかっこいいなと。

そんな感じで、自分の中で伝統ブームみたいな流れもあってか、30歳になったあたりで『盆栽』を始めたんですね。これがもう超楽しい。どハマりしました。

最初はかっこいいなーというところから入ったんですけど、だんだん、”時間の凝縮”みたいなものを感じるようになって。 盆栽を眺めることで、忙しくても、追われていることを忘れると言うか。時間の流れ方が、変わってくる。自分の心にゆとりをつくれるんです。それが、すごくいいなって。子供がいるので、盆栽との自分時間をつくれるように、日の出に合わせて起きたりするようになりました(笑)。

盆栽に限らず、日本に古くからある良いもの、伝統的なものって、みんな共通して、”時間の凝縮”みたいなものを感じられると思います。職人さんの鍛錬もそうだし、過去から現代まで受け継いできた技術であったり、どれだけの時間をかけて、目の前のモノに到達しているか。そういうものが身の周りにあると、「心にゆとりがうまれる」感じがするんです。

効率やスピードを求めがちで忙しい現代にこそ、そういう「ゆとり」をもたらしてくれるモノや体験が必要だなと思っています。例えば、忙しくて毎日コンビニ弁当食べるよりも、少しだけ手間はかかるけど、気に入った器でご飯を食べるとか。ちょっとだけテンション変わってくるだろうし。 何でもかんでも伝統的なもので揃えなさいっていうことじゃないけれど、 今だからこそ新しく感じるものがたくさんあるはず。

でも、そこらへんって、まだまだデザインされていない領域が多いんじゃないかって思ってて。デザインは社会の中で広く浸透しているのに、なんか、一番デザインの力を必要としてそうなところまでは届いてないような感覚もありました。

いいものをつくっている職人さんとか中小企業とかでも、そもそも伝えるという発想がなかったっていう人たちもいるし、伝えたいと思っていても、どうしたらいいか分からない人もいる。そんな人たちに対して、自分がデザインでできることが何かないか?と。

日本の古きよきものを広げていくこと、心の「ゆとり」をもたらす、モノ・体験をデザインしていきたいと思いました。

イキゴトとの出会い

ーイキゴトとの出会いについて教えてください。

そんな経緯もあって、「デザインを通して日本の素晴らしさを伝えていける場所」がないだろうかと、会社を探しはじめました。

でも、なかなかなかった。時代的にもやっぱりUI/UXデザイナー募集!みたいなのが多くて。ただ、それだとこれまでと変化がないですよね。まずはビジョン軸で「日本の伝統」的な文脈があるところを探していたんです。そこで共感できないと難しいと思って。

そのときに唯一、Wantedlyで気になったのが、イキゴトでした。

社名のイキゴトは、いきること、イキイキすること、粋なこと、3つの言葉からうまれていて、 日本の価値をひろげながら、人・組織・地域をイキイキと輝かせていくためのブランドづくりをしている。

日本の良いところとか伝統をデザインするって、ポートフォリオの一部としてやっているところは沢山あるんですけど、そこを主戦場として正面から取り組んでいるところは多くないと思います。イキゴトはそこをやってたんですね。

創業150年以上の老舗企業のかまぼことか、天然無添加の雑穀米など、日本の伝統的な体に良い食品を広げていくプロジェクト、 病院の働き方改革をとおして地域医療の再生をしていくプロジェクト、 まちづくりの未来を考えていくプロジェクトをはじめ、 日本のよさをひろげてきた、実績がある。そういうお客さんと仕事をしている。

この規模でこれだけの実績があり、5年以上もつづいている。 そして表参道でやっているし、うまくいっていそう。
すごく気になって、まずはオフィスを見て話を聞いてみたいと思いました。

ーイキゴトに入ろうと思った決めてはなんですか?

一つには、代表である五味の思いを直接聞いて、大事にしているものが伝わってきて、そこに、ものすごく共感できたこと。

イキゴトが、ひとりひとりの暮らし・働き方をイキイキ輝かせていくことを目指していること。 そのために、日本の持つ精神や、日本文化により培われてきた価値観をとても大切にしていること。 例えば、目に見えないものに目をむけること、人と人や、人と自然のつながりを大事にする心。
たくさんの情報やモノが溢れ、効率やスピードを追い求めがちな社会だからこそ、暮らしや働き方の中に、「ゆとろぎ」(ゆとり、くつろぎの造語)のある時間をつくることを大切だと考えていること。
そこにむけて、これからの働き方・暮らし方を考える経営者・ブランド責任者の方と共に、時代をリードするブランドをつくっていること。

話を聞いてすごく共感したし、僕がやりたいと思っている、日本のよさを広げていくとか、そのために相性が良いお客さんを、イキゴトは持っていると思った。ここならやりたいことができそうだなって。

コンサルティングとクリエイティブの組み合わせでアプローチをしていく手法への共感

もう一つ大きかったのが、イキゴトが、経営者・ブランド責任者の方をお客様としながら、コンサルティングとクリエイティブを組み合わせたアプローチで、ブランドをつくる集団としての実績があったこと。

例えば、イキゴトの事例で、歴史ある地方病院のトータルブランディングを通して、地域医療を再生したプロジェクト。 未来の病院にむけて『”いのち”輝く 癒しのホテル』という新しいコンセプトや戦略をつくり、コンセプトを病院内外に浸透させていくためのクリエイティブづくり(WEBサイト、広報誌、ブース等)やコンサルティングを通した組織開発まで行うことで、5年間で、看護師の採用数10倍以上になり、離職率の大幅低下など大きな効果がでているプロジェクトなんですけど。(詳しくはこちら

代表からこのプロジェクトの話をきいたときに、場にいる人が元気になっていくとか、周辺にいるひとも元気になっていくとか、みんなが楽しくなる、というのがわかりやすい例だと思いました。 その場に対して何が必要かを捉えて、仕組みからデザインして成果もちゃんと出て、心についてのデザインもできている。病院ってやっぱりこわいし、少し壁を感じるけれど、その壁を上手にとりはらって、人と人の繋がりをつくれていたんですね。その意味で、病院のやり方はすごく興味深かったですね。

その時に、イキゴトのコンサルティングは「しくみのデザイン」をしていると思ったんです。 それも、人の「心」を対象に、しくみをデザインできていると思いました。 僕がこれまでやれていなかった、「心」に響くデザイン。それを、この箱根病院の事例はできているなと。

その時に、僕はこれまでデジタルしかやってきていないけれど、イキゴトなら、デジタルからリアルまで、手段とは関係なく、目的のデザインができそうだなと感じました。 経営者・ブランド責任者の方をお客様としながら、コンサルと組みあわせて、上流の幹のところから、本当に必要なデザインを考えてできそうだと。

コンサルがしっかりあるところに、デザイン、クリエイティブをもっと足していくと、凄く楽しそうだし、最強だなと。ここにデザイナーとして自分が加わったらどうなるだろうか、とすごく可能性を感じたんです。

人数が少ないこともあって、代表には「第二創業期だと思ってきました」と伝えたら、「まさにそのタイミングです」って言われて、「じゃあ、やりましょう」ってその場で気持ちが固まりました。 会社自体がまだ成長の途中で、長い目で見ればまだまだ初期の段階だから、このタイミングならやりたいことがやれるかなって。

ー実際に入社してみて、感じていることについて教えてください。

入社して1ヶ月。やっぱり、コンサルとデザイナーが手をくむことで、デザイナーとして、よりいいものをつくれる、楽しくデザインできる環境だと思っています。
上流からじゃないと、本当にいいデザインってできない、っていう実感は持ってたけれど、その上流を任されることが多いコンサルの人と一緒に仕事をやったことは、あんまり過去になかったので、それは楽しみにしていました。 コンサルは抽象度が高いところから具体的なところに落としていくし、デザイナーは実装とか具体的なことを踏まえて抽象的な部分を見ていく。お互いがうまく組めると、抽象と具体の間を行ったり来たりしながら、スイートスポットを探っていくことで、いいものをつくれる気がしています。

また、イキゴトでは、ブランドをつくるためには、中長期的な視点に立ち、ブランドの価値を訴求しつづけていくことが大切と考えているので、短期的な売り上げだけどうこうっていうより、中長期的にブランドを考えたうえで、今必要なものがなにかを考えてデザインできるのもいいなって思います。
コンサルというフェーズもあって、デザインのフェーズがあるから、 じっくり考えてとりくめるし。腰をすえてじっくりやるべきことをやれる、それを提供できるだけの土台があると思います。

「はい、いいものできました」って制作しておしまいではない。売れるしくみづくりまでコンサルでサポートしていくから、そのタイミング、タイミングで、いま必要なものが何かを一緒に考えたり、一緒につくったりできるのもいいなと思っています。

コンサルティングとクリエイティブの組み合わせで、デザイナーとしてできることの可能性は、とても大きいと思っています。

新しい仲間と、いいものをつくっていきたい!

ーこれからメンバーも増えていくと思いますが、チームをつくっていくこと、どのように感じていますか?

イキゴトは、4月に僕が入って、いま6人。さらに仲間を増やしていきたいです。 新しい人が増えていくのは、純粋に凄く楽しいです。

人が入ることで、会社もがんがん変わると思っていて。 入ってくる人が会社の影響を受けるのはもちろんですけど、この規模だと会社の方が受ける影響の方が大きいはず。人が入ることで会社が変わっていくのが楽しみです。

あと、僕は、複数人でつくるのが好きなんです。賑やかな方が楽しい。 いろんな人とコミュニケーションを取ることで、 いいデザインってできるものだと思っています。 人としゃべることで自分が何考えているかわかるし、 議論することでみえることがある。むしろ一人じゃ作れないタイプです、僕。 だから、人が増えるのがすごく楽しみ。 どれだけ違った個性を集められるか、がそのチームの面白さだと思いますし、 もっとたくさんの人と、一緒にいいものをつくりたいです。

イキゴトとしては、コンサルと同時にいいデザインを提供していく、ということをこれまでもやってきたけれど、 クリエイティブチームがこの4月にたちあがり、 よりいいものを提供していくために、これから更に面白くなるタイミングだと思っています。

デザイナーへのメッセージ

ーこれから入ってほしいデザイナーに向けて、なにかメッセージがあればお願いします。

僕の場合は、なんだかんだ『楽しくいいものがつくりたい』っていうのが、デザイナーとして一番のモチベーションだと思っています。

イキゴトだと、それができると思うし、自分がやりたいことがやれる環境を用意してますので、

とにかく楽しくデザインしたい人、待ってます!!!

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